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会員さん~更なる回復のために~

パニック障害を発症して9年目の主婦です。

日常茶飯事だった発作も今は殆ど出なくなり、日常生活には支障がないほどに回復してきました。しかし、ストレスが重なったり、多忙だったり、大きな変化に出会うと、確実に発作の引き金になるので、この一年間は、体力の底上げに取り組みました。

外出が困難だった日々の間に低下した体力を取り戻すことができれば、体全体の機能も上がり、脳の調節機能も上がると考えました。丁度、ネット上のユーチューブで、廣瀬クリニックの講和を知り、ランダムに聞いていたところ、自分に合いそうなものを三つ見つけました。

まずは栄養素である「鉄」、二つ目は運動療法としての「キックボクシング」、そしてサプリメント「Lグルタミン」の摂取でした。

① 最も手軽に摂れる、「鉄」について。 私は、午前中に体が重く(夜服用の薬が効きすぎているからではありません)、昼過ぎから調子が上がってきて、だからといって動きすぎると夜へばってしまうような体調でした。家事を一つ済ませては布団で休み、外出を終えては寝転んで・・という繰り返しでした。このエンジンのかかりにくいような状態、この症状の原因の一つが「鉄不足」だという考えがあるそうです。 普通の血液検査のヘモグロビン量が正常値であっても、フェリチン(細胞内に貯蔵されてる鉄分)を測定すると低い人が多い。理由は、血液中の鉄分より細胞内の鉄から消費されるからだそうです。私も貧血になりやすく、鉄剤を処方されることがありました。内科医師に頼んでフェリチンを測定してもらったところ、廣瀬医師が推奨するフェリチンの値60~100には程遠く、しかし担当医師からは、ヘモグロビン値が正常なので薬(鉄剤)は出せないと言われました。なので鉄含有率の高い健康食品で少しずつ補うことにしました。そうすると2ヶ月ほど経ったころから体が軽くなり元気になってきました。胃などに負担の掛からない程度の摂取を、これからも続けていこうと思っています。

② キックボクシングの効用について 1年前、偶然近所にジムがオープンし、「全く運動してないし、更年期で体調も悪いが教えて貰えるだろうか?」と問い合わせたところ「プロを目指す人より、ダイエット目的や体のために習ってる人の方が多い」との答えで、体験レッスンを経て、そのフィットネスジムに入会しました。体験レッスンはトレーナーがマンツーマンで、足のステップ、パンチの出し方、キックの形、体操等を教えてくれ、予想していた荒々しいものとは違っていました。しかし入会手続きで、「2ヶ月分の月謝が前払いです」と聞き、もし練習中に発作が出て通えず月謝が無駄になるのではと考えると、激しく緊張しました。またキックボクシングと聞いて家族も友人も反対しましたが、薬を始め、行動療法、鍼灸、整体、漢方などでの回復の限界を感じていましたし、骨折等のリスクも怖いけれど、やってみない方が後悔すると考えました。 廣瀬医師によると「武道系の運動は、全身運動であること(ウォーキング等で上半身を動かすのは不可能でないが難しい)練習内容に型があるので自分がどうすればよいか分かりやすく、教える側と教わる側が明らかで人間関係がやりやすいこと。 やっただけの効果が分かりやすいこと。また、度胸が据わってくる」とのこと。このような運動で「鬱」が改善した人を、偶然に廣瀬医師は発見したようです。 私が始めてジムで他の人との練習に参加した時は、男性がミットを蹴る音の凄さに弱気になったり、ふらつく自分が怪我をしないか心配したり息が上がって発作が出そうで・・他の生徒さんは楽しそうだけど、私だけ命がけ!の状態(笑)。しかし、なんとか練習時間を終え帰宅すると汗だく 、シャワーを済ませるのもモドカシイぐらいの空腹を覚えたのです。 日頃は食欲が出る薬を頓服で使ってたので、驚きでした。そして食後は、抗えないほどの眠気に襲われました。 いつも睡眠剤を飲んでますが、自然に眠いというのは、なんて心地よい感覚なのでしょう。 一ヶ月通うとパンチやキックがサマになってきて、気分はスカッとするし、肩こりがとれてきました。 鍼灸を受けた時と同じ効果を感じました。ジムのトレーナーに、「股関節と肩甲骨をよく動かすので、血行が良くなり、新陳代謝が上がる」と言われました。 1年間で成果が出たのか、発作の回数は更に減り、たとえ起こっても“何とかなる”ようになりました。 勿論、今でも、練習に行けるほど体調が良くない日も多いですが、行けば体が楽になるので、週に一度を目標にトライしてます。

③ 「Lグルタミン」が、安定剤の代わりになる私の体験 Lグルタミンはアミノ酸の一つです。アミノ酸は、たんぱく質を分解したものと考えて下さい。 念のために書きますが“グルコサミン”ではありません。“グルタミン酸”とも別ものです。 廣瀬医師の「薬剤の減量」の話で、抗不安剤をLグルタミン、ビタミンB6,ナイアシンに置き換えて成功した事例が少数あるとのことで、私は、Lグルタミンの摂取を試してみようと思いました。 私は、食が細くて肉は少ししか食べないので、アミノ酸は必要量足りていないと想像できるからです。 例え赤身の肉を大量に食べることが出来ても、グルタミンは他のアミノ酸に比べて、血管から脳に取り込まれにくいとのこと。 なので、グルタミン単体で摂るのが有効だそうで、私はグルタミン100パーセント粉末を購入し、普通の大人の1日摂取量の半量で試しました。 といっても、毎日の安定剤を中止するのは無謀だと判断し、安定剤を飲みながら2週間続けましたが、特に効果を感じませんでした。 しばらく後、次は頓服的に飲んでみました。 外出前の緊張時、興奮で眠れない時、天候が体に負担な時など。飲んで20分ほどで、体がリラックスするのが分かりました。 グルタミンは運動選手がよく摂るサプリメントなので、購入が簡単ですが、廣瀬医師は、医師の指導のもとで摂取するよう注意しています。 なぜなら、他のサプリメントやハーブと一緒に摂ると体に悪い影響を出す場合があるから。私は、自分の判断でするのだから、慎重にしました。 勿論、そういう栄養治療をしているクリニックに通う選択もありますが、遠距離だったり、高価だったり、飲めない量を提示されてということもあるので私の話が参考程度になればと思います。

最後に・・・ 読んでくださった会員さんには、「自分は未だ会合にも行けないのに・・」という方も多いと思います。私も始めは、部屋からトイレへ移動してもパニック発作が出ていました。 今でも、何が最も恐いかと聞かれれば、発作が起こることだと答えます。何より、「死ぬような想いを突然に何度も感じる」なんて、辛いことです。 でも何度でも何百回も、外出に、乗り物に、会合にトライして、必ず少しずつ脳は慣れてきます。「薄紙を剥がすように治る」と、なかまの会の先輩に言われた通りでした。 病気だから出来ないのは当たり前です。私たちは「死ぬかもしれない、倒れるかもしれない」感覚に耐えられたのです。これは凄いことです。どうかご自身で自分に合った何かを見つけて一歩ずつ進んでください。是非、会合でお会いできるのを楽しみにしています。

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