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執筆者の写真F 30代男

会員さん~行動療法に学んだこと~

長年、PDをはじめ各種の不安障害を抱えていました。 完璧主義、心配性などは私の場合は生来のことなのですが、そういう気質もマイナスばかりではないので気を取り直して共存していますが場所に対する恐怖症状はとても困ります。 もともとあった不安障害に、PDが併発して電車や自動車まで乗れなくなった時は本当に途方に暮れました。 「それは克服する気がないだけ」「そもそもやる気がないだけだ」と、さまざまな場面で、いろんな人に決めつけられる日々もまた苦しかったものです。 症状が寛解した今になって振り返れば、患者さんはたいていSADやPDを発症したその日から、思いがけず身の上に降りかかった難題に対して行動療法を開始しているものです。 それが成功したか否かは別としても、「そもそもやる気がなかった」わけではないはずです。 駅のベンチに腰掛けて「また今日も電車に乗れなかった・・」嘆かわしい気持で、次々と過ぎ去ってゆく電車を見送る日々は本当に口惜しく悲しいものでした。

多くの患者さんが受診する以前に自分で何とかしようと苦闘されて来たと思います。 私もまた自分なりに解決しようとしました。しかし、テーマ設定を「周りの人達と同じように出来ること」や「健康だった時の自分に戻ること」というような難しいものにしたせいか失敗の連続でした。 「出来てあたりまえなのに・・・」「昔は出来たのに・・・」こうして自己評価は低下する一方でした。 しかし、病院の指導による行動療法では取り組み方が大いに変わりました。 病気の特徴について説明を受けた上での行動療法は「いま出来ること」と「いま出来ないこと」が納得できました。 「病気だから出来なくても不思議ではない」という所から出発するので、思うように行動できなくても昔ほど落ち込まなくなりました。

健康な頃の自分や周囲の人を基準にすることは、脚を骨折した人が「松葉杖を使ってはいけない」「昔と同じ速さで走らねば」と考えるようなもので無理があります。 挑んだ行動について定期的に報告をするのですが、「やっぱり上手く行きませんでした(苦笑)」 「そうか~、ハードルを上げ過ぎたのかなぁ。でも、じっくり続けましょう」というふうに普通のリハビリのような感じで取り組めるようになったのも良かったと思います。

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