パニック発作が起こる原因として、脳の青斑核(せいはんかく)がエラーを起こしてノルアドレナリンを必要もないときに分泌してしまうのが原因であり、決して気力や思い込み、心の問題ではないということを話されました。患者の家族や周りの人は、パニック障害という病気を認識し、理解を深めることが大切です。また患者本人も周りの人に理解してもらうように働きかけると同時に、もし発作が起こったときにはどうして欲しいか、発作時の対応等もしっかり伝えておくことが大切です。
お薬についてパニック障害には抗うつ薬がよく効き、パキシルなどのSSRIをベースに、発作時などの頓服用にベンゾジアゼピン系の抗不安薬を処方するのが一般的だということです。
薬の特徴としては・・・
SSRIは、依存性も少なく、長期に服用しても後遺症につながるような副作用は起こらない。ただし、効果が現れるのが遅く数週間かかることが多い。服用開始時に吐き気、めまいなどの副作用があらわれることがある。ただしそれらの副作用は時と共に軽減していく場合が多い。
ベンゾジアゼピン系は、効果発現が早いため頓服として用いられる。安全性は高いが依存性があるため長期服用には不向きである。ただし急に止めると再発や離脱症状が起こりやすいので時間をかけてゆっくり減らしていくことが大切。
※薬はメガネと同じ、ある人には最適でも自分には合わない場合もあるので、自分にフィットしたものを選ぶことが大切です。医師とじっくり語り合って自分に合ったお薬を処方してもらってください。
Q.パニック障害歴12年の38歳です。薬の服用を始めて12年が経ちました。こんなに長く飲み続けて大丈夫でしょうか。副作用が心配です。
A.最近は副作用の少ない薬が開発されており、医師も細心の注意を払って投与しているはずですから、むやみに心配する必要はありません。パニック障害の薬物療法の中心となるSSRIや三環系抗 うつ薬は長期に服用しても習慣性はないことがわかっています。ただし、全く副作用がない薬はありませんし、その人には合わないという事もあります。気になる症状がでたときは、早めに医師に報告してください。
Q.夫に「いつまでも薬に頼っていてはダメだ」といわれてしまったのですが、発作が起きても薬を飲まずに我慢したほうがいいのでしょうか?
A.ご主人はあなたのためを思っていってくださっているのでしょうが、現在のところ、パニック障害では薬によって発作を抑えるのが最善の治療法だと考えられています。発作が起こってしまった場合は我慢しないで薬を飲んでください。発作を起こさないことが治癒への一番の近道です。出来ればご主人といっしょに受診し、パニック障害についての理解を深めていただくといいでしょう。
Q.お薬を飲むことに抵抗があります。薬物療法以外の治療法はありますか?
A.お薬の効きがよくない、または副作用で悩む方も多いと思います。
お薬以外では効果が確認されているのは、不安や緊張時にアロマの香を嗅ぐ(雑貨店などで市販されているものではなく専門店でご相談いただくのがベストです)、自律訓練法、ツボ押し、認知行動療法、カウンセリング、森田療法などがあります。
またパニック発作はセロトニン不足も原因の一つとされているため、セロトニンが多く含まれる食事を摂ることも大切です。
セロトニンを増やす食品はこちらの記事をご覧ください。
Q.パニック障害 なかまの会で良くなった方はいますか?
A.当患者会は病院ではないので薬の処方や治療行為はいたしません。
ただ患者同士が悩みを共有し分かち合うことで前向きな気持ちになり、結果的に症状が改善していく方はたくさんおられます。
なかまの会で知り合った方と行動療法に取り組み、乗れなかった電車に乗れた方や、引きこもり状態から社会復帰を果たした方もおられます。
一人で孤独に闘病生活を送るのはとても辛いですが、皆で支え合いながら少しずつでも改善していければと思っています。
Q.パニック障害 なかまの会ではお薬に対してどのように考えてますか?
A.1996年発足当初から約20年間で数百名の患者さんと接してきての感想ですが・・
医師の指示通りにしっかりと薬を飲み症状が改善した方もたくさんいる反面、長年飲み続けることにより耐性が出来てしまい、薬の量が年々増えてきて困っている方や、断薬・減薬に大変な苦労をしてる方も大勢いらっしゃいます。
ですので当患者会としては、薬に対して肯定も否定もしかねます。
結論としては、発作が頻発する時など必要な場合はしっかりと薬を飲み症状を緩和していく
しかし薬だけに頼るのではなく、アロマ、自律訓練法、ツボ押し、認知行動療法、カウンセリング、
食事療法なども併用し、薬依存を避ける努力も必要かと思います。
Q.私は以前と比べてほとんど発作も起きることなく回復に向かっていたのですが、近頃仕事が多忙なことや、人間関係のストレスなどから、また不安がよぎるようになってきました。人に迷惑をかけまいとの思いから、しんどくても言えず、どうしても無理してしまうようです。治りかけていたときの再発で、ものすごくショックです。どのように対処したらよいでしょうか?
A.人は心と体のバランスが崩れたときに体調を崩すものです。 こうでなければならない・・右か左かどちらかに比重がかかってくるとバランスが悪い、男は男らしく誰にでも頼ってはならないなど自分に「禁止令」を出していませんか?男であっても泣きたいときも有れば頼りたいときも有る、本当は疲れきっているのに、人と会うときには常ににこやかに接しなければならないということで自分にムチを打っていませんか?流し損ねた涙があるのではないか?弱音を吐きたかった部分も言わなかった全部飲み込んでいた辛いこと悲しいことたくさん経験していく中でいつも流したい涙を飲んでいた、その上に成り立っているあなたがいるのではないですか?今出来ることは、幼少期の頃から刷り込まれて来た禁止令を解放してあげてください。どんな自分であっても、世界に一つのかけがえのない自分であるということで、自分自身をいとおしく感じることが出来るようになれば、決して無理することなく、少しずつ回復に向かうのではないでしょうか。心身ともに疲れきっている心と体にあなた自身が優しく接するのが必要な時かもしれませんね。
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