私は社会不安障害と診断を受けています31歳、男です。
私は人と話すのは、割と普通に話せるほうなのですが、大勢の前や、上司などの前、会議などで発言することが大の苦手です。話している最中に、緊張のあまり強い吐き気、発汗、動悸、息切れ、手のふるえなどがでて倒れそうになってしまいます。人を前にした大事な場面や、いわゆる本番に弱いタイプの人間です。会議において、原稿を持っている手がブルブル震えてしまうし、頭の中が真っ白になることなどしょっちゅうです。こういったことを治していきたくて、服薬治療やカウンセラーの先生に相談したりしています。
ある日、カウンセラーの先生は本番に弱い私に対して、大リーグで活躍するイチロー選手の話をしてくれました。イチロー選手は、試合などの本番に備える準備として、普段の練習を決して怠らないといいます。それほど練習熱心であり、たとえ本番で上手くいっても、それまでに十分な練習をしていなかったら、それはたまたまの結果として、ものすごく不満を感じるのだそうです。逆に普段の練習さえ十分に行っていれば、本番で不調であったとしても、たとえば四打席連続ノーヒットであったとしても、観客のブーイングを受けたとしても、逆に魂が燃えるらしいです。
すなわち、イチローの考え方としては、本番にあまり興味を抱かない、それまでの過程を重視して一喜一憂しているということです。この考え方は、私とは全く正反対であり、たとえ練習が十分にできていても、本番で失敗してしまっては全く意味が無い、というのが私の考え方です。しかし、本番への意識が強すぎることが、私の特徴であり、結果として本番に無理なプレッシャーがかかってしまっていることも事実だと思います。
私と同じ社会不安障害の方で、私と全く同じ症状の年輩の方がおられますが、その方は本番で読む原稿を、前日に何度も何度も復唱して練習することで、本番を乗り越えておられるそうです。本人曰く、「何度も復唱をすることで、本番の症状があまり出なくなった」とおっしゃられています。
集中力あふれる世界チャンピオンの共通点は、「本番にあまり興味を示さないこと」だといいます。射撃の世界チャンピオン、ラニー・バッシャムも「引き金を引くのは誰でもできる。大事なのはそれまでの構えであり、結果はそれで九割九分決まる」と言っています。
私も上記の方と全く同じには無理かもしれませんが、似た考え方や行動ができるように、自分の価値観を少しでも変え、行動する必要があるのだと感じました。
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