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社交不安症のわたくしのお仕事(エレベーター)

いつもの電車を乗り過ごして3本くらい遅い電車に乗り、始業までの最終のエレベーターに駆け込み乗車したときの話。最終のエレベーターは役員クラスから平社員までぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。エレベーターでは挨拶以外の会話を慎むのがマナーなので世間話はしなくてもいいけど、駆け込み乗車してしまうと20人ちかくに一気に注目を浴びてしまうので、社交不安症の私にはなかなかハードルの高い緊張場面。

絶対に乗りたくない!ゆっくり歩いて先に行ってくださいというと遅刻になってしまい昇給・賞与の査定の際に心証が悪くなるのでなんとしても遅刻は避けたい。乗るしかないし、もう開けるボタン押して待ってくれてるみたい….

死刑台に上がるような気持ちで思い切ってスライディングして乗り込む。役員のエライサンから平社員、仲良い人にしゃべったことのない人、挨拶だけする人、若いだけが取り柄の派遣嬢、私のスカートの丈を毎日チェックしている総務の怖い先輩、姑の練習代わりに私を査定してアドバイスをたくさんくれるババア、媚び売っといたほうがいいか判断しかねる人等等詰め合わせで朝から気分が悪くなった。汗かいててかっこ悪いから満員のエレベーター余計キツイ。


私「おはようございまーす。待ってもらってすみません」

ババア「おはよう。今日はいつもより遅いし、ぎりぎりやね。今日のコートは春っぽくていいね。ちょっと型が古いみたいやけど、ちゃんとクリーニングだしたら良いコートやろうね。」


全員が注目してるし、しゃべりたくない。


私「そうなんです。これ、おばあちゃんが捨ててたのを私が拾ったので型が古いんです。でも30年くらい前のコートなんですけど、オーダーメイドですから長持ちするのです。いつもアドバイスありがとうございます。」

エライサン役員「ばあちゃんのコート着れたらいいやん。物大事にする人いいやん。物大事にする人じゃないと人からも物からも大事にされへんからいいやん。長いこと使ったらみんな喜ぶやん。もちろん仕立てられた布とおばあちゃんが一番喜んでるからいいやん。嫌味いわれてもお礼で返せるようになったからいいやん。おばあちゃんと仲良いのいいやん。家族がおるからまだいいやん」


エレベーター内に春風のような微笑みが溢れた。エライサンから平社員まで感動ポイントに所得関係なし。春一番の勢いで私の好感度がエレベーターの速度とともに急上昇しているのが分かった。社交不安症のエレベーター苦手な場面にがんばってトライしてみてよかった。今年も春が来た。おばあちゃんありがとう。Anais

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