私が初めてなかまの会の茶話会に参加したのはもう5年以上前のことですが、今でも昨日のことのように思い起こされます。それは入会の電話をかけるまでに何カ月もかかり、初回の会合参加するまでにものすごい心の葛藤があったからです。私の場合は参加して、自分の中に新しい価値観を発見することになり回復の希望が見いだされ症状が改善されました。また、たくさんの相談相手と受け入れていいただける居場所が出来ました。とても感謝しております。もやもや悩んでいた時間がもったいないと思える程、なかまの会に参加してこころから良かったと強く思います。
なかまの会の存在を知ったのは治療の過程において、自分で決断・判断することが正しいことか間違っていることか、私の行動や発言が他人からどう思われているか過剰に気にしてしまっていて、今ひとつ改善されない現状を好転させたいと試行錯誤していた時期でした。自助会とされるものがどういう集まりか分からず、良心的な会費にも関わらず思い悩むこと数カ月でしたが、ホームページが頻繁に更新されていること、TV・ラジオ等のメディア出演歴が信頼されるものであると確認が取れて、安心したあとにがんばって電話するとあっさり茶話会に参加することになりました。過去の会報を送ってもらい、自助会というものがどういうものか事前に知り予習することが出来ました。会報の患者同士の助け合いという観点からの専門家によるセミナー及びパニック患者向けの歯科医院や美容室情報、友達募集のコーナー、会計報告を読むにつけ、なかまの会の運営がますます信頼出来るものとなりました。 なかまの会が信頼出来た次の段階は茶話会に参加してみることでした。参加予約してみたものの、主治医からは行ってみたいのなら行った方が良いと思うけど…、期待しない方が良い…、診断された人にもいろんな人がいるから…、自助会はアルコール依存症の人には効果があるらしい…等 芳しくない返事でした。それにもし行ってみて怖い思いしたり、合わなかったりしたら、もう一人で決断して行動することに二度と自信が持てないかもしれないし、なんて思って自分でプレッシャーをかけるよろしくない考えが浮かんでは、でもでも行ってみたら治療に有効な情報が聞けたり、友達が出来たり良いことがいっぱいあるかもしれないし、とポジティブに考える日もあれば、でもでも、絶対に幸せになれる方法を教えてあげるとか、全員利益が出るビジネスに誘われたらどうやって断って逃げて帰ろうかといろいろ考えていたら、茶話会の前日になってしまい、前日に欠席するのは気が引けるので取りあえず参加することにしました。多分たくさん参加者がいて順番に自己紹介することになると予想されたので、名前と通院歴と会合について知った経緯と現在悩んでいる症状についてメモ書きし、自宅で練習してから当日に臨みました。
前日はなかなか眠れず、電車に乗っても引き返そうか悩んでいました。初めて行く場所には早めに到着するくせがあるので、会合の最寄り駅で30分くらい座っていました。駅を通り抜ける人全員がなかまの会に参加する人のように思えて会場に着く前から緊張していました。開始時刻30分前に最寄り駅から飛び出して、ゆっくり歩いて緊張をほぐしてから会合に参加するつもりが5分くらいで会場についてしまい、行くところもないのでそのまま会場の和室に入ると予想よりはるかに多い人数の靴が並べてありびっくりしました。部屋に入ってみると30人ほどの人が談笑しているではありませんか。緊張しながらも初めて来た旨を伝えつつ受付をすませて端の方で座っていると、一人の優しそうなおばさまが話しかけてくださいました。緊張しすぎて青くなって震えていた私を見かねて声をかけてくださったのでしょう。おばさまの症状、会員歴、飲んでいるお薬、なかまの会への思いを聞かせていただき何とか緊張がほぐれたのをよく覚えています。
会合が始まり、茶話会についての注意事項を一言一句逃さずに聞くために耳をそばだてて聞きました。パニックの人と、社交不安症の人でグループ分けが終わったあとは自己紹介の時間になりました。運よく座っている場所が円の中間くらいだったので、心の準備をする時間を確保できました。参加者の自己紹介は簡潔で分かりやすく聞きやすかったので、私の症状や悩んでいることと重なる部分が多く、会員さんの自己紹介を一秒も聞き逃さないように録音するような気持ちで聞いていました。同じ症状を抱えている方々のお話を聞くことが初めてだったので、今まで辛くて仕方ないと思っていたことは私だけじゃなかったと分かったことが大きな喜びでした。
様々な年代・職業の方ががんばっている話に胸をうたれ、おひとりずつ終わる度に万感の思いがこみ上げてきました。いざ私の自己紹介の番になると、前日と電車で覚えたことの8割くらいを言えたので無難にこなせたかなと思い緊張がほぐれました。
初回にご相談させていただいた内容は今まで困っていたこと・日常生活に支障をきたしていた様々な困難とこれからどうしたら改善していけるか、同じ症状の人はどのような工夫をされて毎日を過ごされているのかということが主でした。会合に良く来られている方、調子が悪かったので久しぶりに来たという方、自己紹介に慣れている人も、緊張されているのが分かる人など様々でした。一通り自己紹介が終わるとフリートークの時間へ。共感を伝えたり、質問したいことがいっぱいになって、頭の中で言葉を組立てようと試みるものの緊張で上手く行かなかったので、発言できず。だってホラ、新人が最初からでしゃばったら目立ってしまうかもしれないでしょう。黙って成り行きを見守っていると個人から全体へ、個人から個人への質問になりました。話の合間に私も経験談を披露する機会があり早口で捲し立てたら、イマイチ伝わってなさそうでした。 言葉足らずだったかなと反省しつつも、がんばって参加・発言した自分の成長に重きを置いていたので気にしない、キニシナイ。
3人ほどの小グループでお話しする時間になりより自分のことを多く話せる機会に恵まれました。今まで怖くて誰にも言えなかったことを一生懸命伝えて、それに対して私もありますと共感してもられたことが大きな励みになりました。 私が自己紹介の際に相談したかったことにもたくさんの方がアドバイスして下さってとても嬉しかったです。社交不安症の症状をベースにした助言を初めてもらって、私は相談する喜びも分かるようになりました。幼少期からの辛い経験は神様が私だけに与えた試練だと思って耐えていたこと、それが社交不安症の患者にはよくあること、様々な情報を得られたことなど気がつくことがたくさんありました。いろんな年代の人が症状を抱えながらも毎日の生活を丁寧に営んでいることを知るにつけ、一生治らないと思っていた私には治療に前向きに、少しずつ経験して出来ることを増やしていこうと思えました。必死でしゃべって、懸命に聞いた時間はあっという間に終わりました。
アレ、もう終わり?
宴もたけなわとなり達成感に酔いしれていると希望者のみの二次会のお知らせがありましたが、疲れているし初回なので遠慮しました。お話ししていただいた方々とは名残惜しくお別れしました。一人で歩きながら考える時間を大切にしているので、定期券が使えるように3駅程歩いて帰りました。考えていたことは、今までかっこ悪すぎて誰にも言えなかった悩み事を正直な飾らない私自身の言葉で表現して理解を得られた喜びにその時は必死過ぎて気がつかなくて…
「わ、た、し、ちゃんとお礼言えてたかな⁇⁇⁇⁇⁇⁇⁇⁇⁇」
お礼を正式に言うという課題が出来たので、次回も参加するしかない!次も行きたい!行動したい!話したい!分かってほしい!ということで会員登録して現在に至ります。会員歴も治療歴も長いので症状が少しずつ改善しています。治療により改善される病気であることを実証することが私の存在の証明であり、私がわたくしであるアイデンティティの確立において画期的な転換となりました。社交不安症患者の私は考える、だからわたくしは存在する。デカルト先生、私はなんとなく分かりました。社交不安症患者として思惟するものが私だけの命題と真理です。理性も感覚も経験を基にしないと直観出来ませんでした。社交不安症と自覚して言語化した考える私自身の心が松果腺に違いないです。わたくしの精神が私の体を延長します。 なかまの会を通してでしか出会えないたくさんの友人が出来て、本音で話せるわたくしになれました。3月24日は今年初めての会合があります。平成最後の会合ですね。
ご参加を迷われている方がいらっしゃったら思い切って参加してみませんか。
共感と助言が必要な私の寂しさと治りきらないわたくしの症状に寄り添って頂ける方に、ひとりでも多くお会いしたいと思っております。
Anais
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